記事一覧

書籍の紹介⑥

ファイル 322-1.jpgファイル 322-2.jpgファイル 322-3.jpgファイル 322-4.jpg

久しぶりに書籍の紹介を。
前回が2012年7月21日だったので、ほぼ1年振り。
http://www.kuwanomi.org/diarypro/diary.cgi?no=240

本を読む時間をいかに創るか。

詰めて読まなければ理解できそうにない書籍は
休日に「読む」と決めて読む。
平行読みで読める書籍は、
ベッドの横やリビングのテーブルに置いておく。
いつでも手に取れるように。

事の本質を知らずに平気な顔をして人に答えることがある。
後に良書に出会い、
言葉を悔い、無知と傲慢さに恥じ入る。

「本を読むこと」が日常生活の中で習慣となれば、
人と語るときに、
謙虚に人と向かい合うことができるようになるだろう。
簡単に断言する人は山ほど居る。

一冊の書籍には
一人の著者の生きざまと
文章に費やされた圧倒的な思考の時間がある。

ということで
以下が、一年間に読んだ書籍

1.夢を叶えるぞう 著:水野 敬也
2.仕事は楽しいかね? 著:ディル ドーテン
3.しつもん仕事術 著:松田 充弘
4.ベスト エッセイ<2012>  制作:日本文藝家協会
5.第4の消費 つながりを生み出す社会へ 著:三浦 展
6.木をかこう 著:ブルーノ ムナージ
7.みみをすます 著:谷川 俊太郎
8.斉藤孝の聞く力 著:斉藤 孝
9.僕たちはいつまでもこんな働き方を続けるのか 著:木暮 太一
10.別冊旅するカメラ
11.Casa BRUTUS 2012 8月号
12.あたらしいあたりまえ 著:松浦 弥太郎
13.今日もていねいに 著:松浦 弥太郎
14.仕事をつくるー私の履歴書 著:安藤 忠雄
15.ほめる生き方 著:西村 貴好
16.日経ビジネス アソシエ 2012 5月号
17.日経ビジネス アソシエ 2012 8月号
18.日経ビジネス アソシエ 2012 10月号
19.100の基本 松岡 弥太郎のベーシックノート 著:松岡 弥太郎
20.実践するドラッカー「行動編」 著:佐藤 均
21.実践するドラッカー「思考編」 著:佐藤 均
22.実践するドラッカー「チーム編」 著:佐藤 均
23.仕事は楽しいかね2 著:ディル ドーテン
24.目を養い手を練れ 著:宮脇壇住宅設計塾
25.日経ビジネス アソシエ2013 1月号
26.良い支援? 知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援 著:寺本 晃久
27.ヒーローを待っていても世界は変わらない 著:湯浅 誠
28.僕たちの前途 著:古市 憲寿
29.自由への一歩 著:ロバート ハリス
30.自閉症感覚―隠れた能力を引き出す方法 著:テンプルグラディン
31.日経ビジネス アソシエ2013 2月号
32.交響曲第1番 著:佐村河内 守
33.生き方―人間として一番大切なこと 著:稲盛 和夫
34.手づくりする木の器 著:西川 栄明
35.東洋経済別冊 北九州の主張2013 2月号
36.研究発表のためのスライドデザイン
37.発達障害のある子どもができることを伸ばす!幼児編 著:アスペ エルデの会
38.暇と退屈の倫理学 著:国分功一郎
39.国民の言葉 著:高橋 源一郎
40.素と形
41.デザインの基 著:小泉 誠
42.山本 覚馬 著:安藤 優一郎
43.哲学の自然 著:中沢 真一
44.自由人 2013 8月号
45.季刊 のぼろ 2013 夏 

良書ばかり。
ちょっと違う角度から見るように
顔の向きを変えてくれる良書。

強いてベスト3をあげると。

「良い支援?」知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援
共著:寺本 晃久 他3名

友人に勧められて読んだ書籍。
その友人がわざわざ買って届けてくれた。
支援する側の論理で「支援」が為されていないか
「本人」が主体となる「支援」のあり方は。
「本人」と「支援者」の両者が尊重される「支援」とは。

印象に残る一文がある。
障害の重い方の行動を変えることはとても難しい。
しかし、支援者が変わることは簡単である。

日常の支援が、支援者の論理で固定化していないか。
自分を、職場を振り返るために
必読だ。

友人は、固定化することや慢心することを懸念し
進めてくれたのかも知れない。

「自閉症感覚」 隠れた能力を引き出す方法
著:テンプル グラディン

発達障害の方の支援に関わり、常々思うこと。
「感覚を共有したい」

見え方、聞こえ方、皮膚の感じ方、味わい方。
それぞれの場面で戸惑い、時に苦しんで居るとき。
本人がどう感じているのか、何故苦しんでいるのか、
定型発達では分からない感覚がある。

最も酷い支援現場では、
自閉症の方たちの感覚を共有しようとせずに、
拒絶し、抑圧されることがある。

発達障害であり、動物学博士であるテンプルグラディンが
自らの独特の感覚を記述した書籍。
自分の体験を基に分かりやすく、示唆に富んでいる。

桑の実工房では
職員が全員購入して読んでいる。
支援者が「知らなければならない」こと。
[知らずに支援をしてはならない]ことでもある。

特に
服薬に関する記述は、興味深く、
具体的な行動のヒントとなった。

最後に
「暇と退屈の倫理学」 著:国分功一郎

人は何故退屈を嫌うのか?

倫理学・哲学の立場から
様々な事例と実証を基に紐解いていく。

動物は暇を感じるのか?
暇を感じるのは人間だけなのか?
を考える部分で、
ダニの生態・ダニの固有の時間があること。

全く知らなかったことで、面白い!

古代から延々と
人間に横たわる命題。
「人は何故退屈を嫌うのか」

読み終えた後に、それぞれがどんな答えを持つのか。
お進めの一冊です。

書籍の紹介⑤

ファイル 240-1.jpgファイル 240-2.jpgファイル 240-3.jpg

書籍の紹介を久しぶりに。

ある研修で事業所の管理者と同席しました。
嬉しいことに、「書籍の紹介、参考にしているんですよ」と。
また、ある時、
「書籍の紹介の本、読んだよ」と異職種の方から。
「時々、面白い本紹介してよ」と。

年の数だけ、豆を食べる。これは、できる。
年の数だけ、本を読む。
目標の1つ。
勿論、数・量が主でなく、良書に出会うこと。
雑誌は毎月2冊。合計、今まで32冊。

雑誌の文字量は、新書一冊分だとか。
だから、同じ時間をかけるのであれば、
著者が時間をかけて書いた新書を読んだ方が良い。
という、コメントがありました。

並行読みをする自分には
雑誌の散文的なところやテンポの良さは、
リフレッシュには最適です。
また、ちょっとしたヒントが散りばめられていて、
そこから掘り進めることもしばしばです。
雑誌の魅力は、数分で世界が変わること。

今年に入って読んだ本を並べてみます。

1.採用の教科書 著:稲田 行徳
2.人間はすごいな ~2011ベストエッセイ集~
3.木の匙 著:三谷 龍二
4.日本一社員がしあわせな会社のへんな“きまり” 著:山田 昭男
5.一生つきあえる木の家具と器 著:西谷 栄明
6.人を助けるとはどういうことか 著:エドガー シャイン
7.働く幸せ 著:大山 泰弘
8.日産驚異の会議 著:漆原 次郎
9.絶望の国の幸福な若者たち 著:古市 憲寿
10.恋する建築 著:中村 拓志
11.すべては「前向き質問」でうまくいく 著:マリリー アダムズ
12.すごい会議 著:大橋 禅太郎
13.7つの習慣 著:スティーブン コビー
14.コーチング スキル 著:鈴木 義幸
15.幸福論<休憩中> 著:アラン
16.上野先生勝手に死なれちゃ困ります<読書中> 著・古市 憲寿
17.ミッションから始めよう 著:並木 裕太
18.夢をかなえるゾウ<読書中> 著:水野 敬也

良書に出会えました。
今頃、こんな本を読んでいるの?って思われる方も
おられるのでしょうね。
確かに、もっと早く読んでおくべきだったと思うことしきり。

中には、自分だけの本にして、人には教えたくないと
思うような本もありました。
みんなが、突き抜けるような気がしてね。

強いてベスト3をあげれば

「日産驚異の会議」
事業所の会議・NPOの会議を考えるのに
価値観が変わるほどの書籍。
特に、企画書、議案書を作成して、
会議を進める立場の方には、実践的な書籍です。
会議を効果的に行うための人選等、一読の価値有りです。
会議で悩んでいたことが、的確に言葉にしてあり、
「共通の悩みだったんだ」と分かっただけでも収穫。
それに、対応策が書いてあるのだから、良書。

「7つの習慣」
いまごろ、読んだのか!って。
“唯一コントロールできる自分に働きかけること”
など、幾つもの言葉を書き留めて、
結局、パワーポイントに落としてまとめました。
「なれっこないよ」と斜に構えないこと。
ひとつでも実践できることを実行すること。
毎日、すきまの時間を使って読み進め、
繰り返し、戻り、読み上げるのに1ヶ月かかった書籍。

「絶望の国の幸福な若者たち」
今や、ひっぱりだこの古市氏。
300pの単行本だけれど、ぐいぐい引っ張られて
一挙に読み上げた書籍。

古代遺跡で発見された文字を解読すると
「近頃の若者はなってない」と書かれていたという
小噺から出発して、若者と社会を分析する。

桑の実にも魅力的な若者がいて
我が家にも魅力的な若者がいる。
かつて、自分も若者と呼ばれ、
三無主義<無気力・無関心・無感動>などと
くくられていた。<太陽族ほどいってない>
世代間の違いは当然のこと。
それを批判するのか、傍観するのか、逃避するのか、
理解しようとするのか。

同意はできないけれど、理解はできる。
ほんとに、ぐいぐい引っ張られて読み進める本。

是非、ご一読をお奨めします

書籍の紹介④

ファイル 137-1.jpg

「奇跡の教室」著:伊藤氏貴 出版社 凸版印刷株式会社
       初版 2011.12.4  220P

以前のブログでも書きましたが、最近は本を平行読みしています。
専門書・ビジネス本・書店お進めの話題本・雑誌。
一冊を読み終えてから、次を読むスタイルを離れて、2年目。
「一年に年の数だけ本を読もう」と50歳の誕生日に決めてから。
一冊を読み終えずに、次の本を読む罪悪感も随分薄れてきました。

「奇跡の教室」は書店お進めの話題本コーナーで知りました。
一気呵成に読み上げました。それだけ魅力ある内容です。

橋本武という灘校の教師が、「銀の匙」<著:中勘助>という一冊の文庫本だけで、
中学3年間の国語の授業を展開する型破りな授業。
そして、その授業を受けた生徒は、現東大総長・副総長、最高裁事務総長、
現弁護士連合会事務総長、新神奈川県知事等・・。
灘校とか、東大とか、特別な世界での話題本なのかと思い読み始めましたが、

全く違いました。

「学ぶとは何か」「学びたいと自ら心に灯をともすにはどうすればよいのか」
実際に授業を受けた方達の言葉、その時の心の動きが詳細に書かれていました。

「何となくわかったで済まさない。徹底的に調べる」
授業では「銀の匙」を基に、生徒達に徹底的に調べて、分かる楽しさを体験させます。
知識を覚えるのではない。自分が分かるまで徹底的に調べる。そして、分かる楽しさ。

こんなエピソードの紹介もあり、早速実行しようと決めました。
~本文引用~
夏目漱石はロンドン時代、図書館にはほとんどいかなかったという。
代わりに留学費用の3分の1を当てるほど大量の本を買い込んだ。
借りた本には書き込みができないからだ。
遺された蔵書には、調べたこと、疑問、反論、
自分がそこから新たに考えたことが余白びっしりと書き込まれている。
書物との対話を通じて自らの思想を深め、海外で、複眼を身につけていったのだ(中略)
まずは「行間を読む」だけでなく「行間に書く」。

マーカーを引いたり、キーワードを書き写したり、パソコンに打ち込んだりしていました。
情報は一冊のノートにまとめるという書籍もありましたが、
そう、そこに調べたことを書き込むというのは、直ぐにでも実行しようと決めました。

「壁」を「階段」にすることを苦にしない。
授業で分かるまで自分で調べる経験を通して、壁に挑み、
あきらめずに挑み抜く強い心が育っているのでしょう。

「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなります。」
「個性というのは持続する関心である」
等、それぞれの読み手に訴える言葉が至る所にあります。

60の暦がどうやって作られたのか知っていましたか?
還暦は暦が一回りすることは、聞き覚えていましたが。
十干・十二支の組み合わせてできていることを、恥ずかしながら、この書籍で知りました。
そして、
甲子園は十干の頭<甲>と十二支の頭<子>の組み合わせ
大正13年、甲子(きのえね)の年。
「えとがしら」の特にめでたい年にちなんでいるそうです。
十干・十二支の組み合わせは120通りじゃないだろうかと思い、
何となく分かったで済ませずに、組み合わせを書いてみました。
それも、本の空白部に。
60通りでした。

「学びたい」という気持ちが、心に灯ったとき。
生き方がダイナミックに変化すると思います。漫然とは明らかに違う。
さらに心強いのは、「学びたい」という気持ちに年齢は何の障害にもならないこと。

今からだな・・・。そんな風に自分に力をくれる本でした。

書籍の紹介③

書籍の紹介です。
「天才と発達障害」 著:岡 南
講談社 第1版 2010.10.7  P296

著者 岡南氏は室内設計家。大同大学工学部非常勤講師。
著者自身が視覚優位、映像思考を認知の偏りを認める。
本書の内容は、宮尾益知氏との共同研究によるものと記述がある。
宮尾益知氏は国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科医長

第1章 あなたは視覚優位か、聴覚優位か
第2章 アントニオ・ガウディ「四次元の世界」
第3章 ルイス・キャロルが生きた「不思議の国」

発達障害というと、視覚優位で、聴覚刺激が苦手というイメージがありませんか。

本著では 認知の偏りが強い発達障害の子供達には、
視覚優位の子供達と、聴覚優位の子供達がいる。
しかし、どちらも同じ「アスペルガー症候群」と同じ診断名が付く。
そこで、教育現場では混乱をきたす。
視覚優位、聴覚優位それぞれに効果的な教育方法がとられるべきだと
そして、その特徴と配慮すべきことが述べられています。
何より、映像思考という認知に偏りのある著者自身の言葉であることに
重み、説得力を感じます。

第2章でのガウディの生い立ちから建築の特徴、
認知の特徴について記述は圧巻です。
幼年期にディスレクシア(読字障害)があったことから
ガウディの設計に関して、多くの資料を基に分析されています。

映像思考というのは、
視覚優位の中でも、奥行き感のある三次元に、
人の動きや太陽の動き(陰)などといった「動き」を意識できる場合には
時間軸が加わることとなり、四次元といった動く映像で思考ができる とあります。

そして、視覚優位とは相対する聴覚優位の例を
「不思議の国のアリス」の著者、ルイス・キャロスの
生い立ちから、彼の認知の偏り「相貌失認」(顔や表情を認知できない)に
ついての記述があります。

視覚優位、聴覚優位、映像思考について
具体例と深い分析が記述されています。
明日からの支援に即活用できるような、書籍ではありません。
視覚優位・聴覚優位について、安易に判断するのではなく、
細かな観察ができる基軸を持つことができる書籍です。

特に
ガウディの建築に惹かれる方、
ガウディの生き方に興味のある方には
実に興味深い書籍だと思います。

数年前から、ピアニストのグレン・グールドが
CDショップで取り上げられることが目立ってきました。
おそらく、坂本龍一氏がセレクトしたCDがきっかけでは。
私も、グレン・グールドに凝って(偏り)
しばらくグールドのCDを買っては、聴き込んでいました。
今でも、良く聴いています。
驚いたのは・・・何となく嬉しかったのは
本著のP5に
・・以前から発達障害の子どもたちにはどのような未来があるのだろうか、
と考えを巡らせていました。著名な例えばモーツアルト、エジソン、
チャーチル、アインシュタイン、グレングールドは
現代の診断基準で診察されたとことはありませんが、
彼らは発達障害として語られていました。・・・

えっ! グレン・グールド!

何で演奏に惹かれるのか・・。
一人のピアニストのCDをこれほど集めたことは今までに無く。
そのピアニストが発達障害とは・・。
そして、ガウディにしろ、グールドにしろ、
どうして、世界中の多くの人々を惹きつけてやまないのか。
そんなことを、いつまでも考えたくなる書籍でした。

書籍の紹介②

最近、本の読み方が変わってきました。
まとまった時間がとりにくいことが変化の要因。

今までは1冊読み終えてから、次の本を読んでいました。
今は、時間と頭のコンディションにあわせて読む本を選択しています。

今は3冊を平行読み。
ビジネス本を1冊。書店お進めの話題本を1冊。専門書を1冊。
ベッドの横には話題本。眠りに入る前に少しずつ読みすすめ。
鞄の中にはビジネス本。会議や打ち合わせ前の隙間時間を利用して。
内容が面白いと車中の信号待ちでも読むことがあります。
そして、専門書。1時間以上のまとまった時間がないと読めない性格。
性格というか、内容の理解に時間がかかる・・。もっと冴えていれば・・。

ということで、今回の書籍紹介は
「発達障害のいま」 講談社現代新書 2011.7.20 第1版 
著:杉山登志郎 259P
あいち小児保健医療総合センター診療科部長を経て
2010より浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授

第1章 発達障害はなぜ増えているのか
第2章 発達凸凹とは
第3章 発達凸凹の可能性
第4章 トラウマの衝撃
第5章 トラウマ処理
第6章 発達障害とトラウマ
第7章 発達障害と精神科疾患 その1
第8章 発達障害と精神科疾患 その2
第9章 未診断の発達障害、発達凸凹への対応
終章  療育・治療・予防について

臨床最前線で取り組んだ豊富な事例を根拠として
精神科医の立場から書かれた書籍です。
「早く次のページを読みたい」と思った本です。
内容は濃く、重く、おそらく2~3度読み返さないと芯から理解は難しい。
休日にのめり込んで読みました。

特に興味尽きなかったのは
「自閉症者に突然生じる想起パニック」が
自閉症スペクトラム独自の認知特性に根付いた記憶の特徴による
と説明されている箇所。

発達障害の支援に長く関わっている方たちは何度も経験しているでしょう。
私も何度も経験し、家族やスタッフに明確に説明できずにいました。
いままで、穏やかに、いつもより良い状態で活動していたのに、
突然パニックを起こしてしまった。
本人の興味に基づいた活動内容、音・光・対人などの環境整備を
念入りに整えているのに。細心の注意を払っているのに。
そして、活動中に大きな変化はなかったのに・・。
原因を「特に思い当たらないのです」というのは本当に嫌でした。

このタイムスリップによるフラッシュバックへの対応法も述べられています。

詳細な内容をここに書き込むことはできませんが、
精神医学の視点から、内容に引き込まれる書籍でした

書籍の紹介①

今日は、書籍の紹介。

「アスペルガーですが、妻で母で社長です」
著者:アズ直子   大和出版

普段はこんな風なタイトルの付いた書籍には、
食わず嫌いなところがあるのですが、今日は何故か・・。

本との出会いも 人と同じように 縁ですよね。

4、5年前 ニキリンコさんの
「自閉症 こんな風にできてます!」
唸り、頷くことの多い本でした。
そうなのか、そうだったのかと何度も納得して読んだ本。
今も時々取り出して読み返す本。

今回は、自分の生き方のヒントにもなり、
発達障害の方たちとの日々を考えるアイディアにもなりました。

特に興味深かったのは、
<宇宙人(アスペルガー)でも生きやすくなる30のルール>
いろんなヒントが散りばめてられていました。

<「寝食分離」・・陽光を浴び体内時計を整えることは
昼夜逆転・睡眠障害・ひきこもり・うつ病などの予防になります。>

「タイマーを使い倒そう!」では
<私にとっては何かを始めるために鳴らすわけではなく、
終わりの合図のために鳴らすことのほうがむしろ重要。>
これは「過集中」を防ぐためだと。

おもしろい表現だなと思ったのは、
「23時のタイマーは本日を強制終了させる合図」というくだり。
<タイマーがなければ、お風呂にも入らず明け方まで起きてしまう。
一度狂った睡眠サイクルを元に戻すことはとても大変です。>

強制終了か・・。独特だけど、分かりやすい。

桑の実でも、睡眠サイクルで苦しんでいる発達障害の方がいます。
当事者の声。睡眠サイクルがいかに大切か。

<孤独を愛し、自分の世界に浸り込むタイプのアスペルガーもいますが、
 それでも、誰だって人に愛されたい、好かれたい、友達が欲しい気持ちが
 あるのではないでしょうか。>

時に、個別のブースや個別の活動で本人が楽になったように感じることがあります。
だけど、すべてが個別化すればいいというわけではないことも感じます。
知的なダメージを負っている方にも、同じように感じます。
一人の世界のみを好んでいる訳ではないことも読みとれました。

などなど・・・・。
どう読みとり、自分の日々につなげられるか。
というか、
自分自身へのアドバイスでもありました。

先生に 柴田トヨ <くじけないで より>

先生に
         柴田 トヨ

私を おばあちゃん と 
呼ばないで
「今日は何曜日?」
「9+9は幾つ?」
そんな バカな質問も 
しないでほしい

「柴田さん
西条八十の詩は
好きですか?
小泉内閣を
どう思います?」
こんな質問なら
うれしいわ

流れのなかで  宮澤 章二 <行為の意味より>

流れのなかで
         宮澤 章二

聞けるときに 聞いておかないと
決して聞けないコトバがある
言えるときに 言っておかないと
再びは言えないコトバがある

つかめるときに つかんでおかないと
死ぬまで無縁の宝がある
みがけるときに みがいておかないと
光らぬまま朽ちて行く宝がある

得たのもを失う その数よりも
得られずに失われたものたちの数の多さ
わずかの知恵と わずかの努力が
それらに触れ得たかも知れないのに・・・

新春の光がなでる新しい日記は
最初の頁から最後の頁まで 純白
しるせるときに しるしておかないと
二度とは記せない記録がある

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ