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第4回放課後ディサービス研究会報告

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平成25年1月23日(水)18:30~
第4回放課後ディサービス研究会を行いました。

第1回では、この研究会で得たい成果の協議
第2回では、北九州市における放課後ディサービス事業の現状と課題
第3回では、家族のニーズ・学校のニーズ・事業所の立場から
以上の協議を重ねてきました。

今回は、
放課後ディサービスの経営試算
桑の実工房で実施する放課後ディサービスの対象者・内容の絞り込み
F君をモデルとした個別支援プログラム提案
を行いました。

経営試算では
10名の利用者が月間20日利用、利用率60% で計算。
人件費では
児童発達支援管理責任者・指導2名で計算
必要経費は
事務費・車両管理維持費・家賃又は返済費・事業費で計算。
研究会で、実際に単位を計算して、試算をすることは少ないと思います。
この数字を理解したうえで、
実際に行うプログラムが可能かどうか判断することが大切になります。

対象者の絞り込みでは、全員が付箋に意見を書いて発表しました。
結論として
「高等部の軽度の方を対象として放課後ディサービス」となりました。
プログラムについては、
生活スキルを高める内容
興味・関心を広げる内容
仲間とのコミュニケーションを広げる内容
等の意見が出されました。

小・中学部の児童・生徒は比較的使用できる事業所はあるが、
高等部の生徒がプログラムに満足して利用できる事業所は少ない
という意見で集約されました。
第5回の研究会では、
事業計画案を提案して、協議します。
具体的で、利用をしたくなるような事業計画を作ってみます。

研究会に参加された皆さん、遅くまでお疲れ様でした。

第1回放課後ディサービス研究会の報告

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平成24年5月30日(水)18:30~ 桑の実工房にて
第1回放課後ディサービス研究会を行いました。

平成24年度より、放課後ディサービスが障害福祉サービス事業として、
自立支援法に位置付けられました。
これまでは、各県、市町村が日中一時支援事業(放課後対策)として実施し、
その基準や支援内容は各自治体の判断に委ねられていました。
北九州市では、特別支援学級に通う生徒が利用できない、
障害の重い児童・生徒の受け入れ事業所が少ない等の課題がありました。
平成22年度の北九州市自立支援協議会でも、その課題についてまとめたところです。
今回、放課後ディサービスが障害福祉サービス事業として位置付けられたことで、
これまでの課題を整理し、新しく運営方法や支援内容を考える機会と捉えられます。

そこで、当研究会を立ち上げ、放課後ディサービスの経営・運営について
協議することとしました。

研究会を進めるに当たっての基本方針を2つあげます。
1つは、本人・家族、学校、障害福祉事業所、それぞれの立場からの
意見やニーズを出し合い、尊重し、協議を進めます。
本人を中心とした支援内容を創り出すために、家庭と教育、福祉が情報共有し、
協議することが必要なことは明らかであるからです。

もう一つは、新しい放課後ディサービスの形を全員で創りあげていくために、
1人ひとりの委員が主体的に参加し、意見を述べ、提案をする会とすることです。
既存のサービスがあり、そのサービスに本人を当てはめるのではありません。
1人ひとりの委員が持つ課題意識やニーズを基に、
新しい放課後ディサービスの形を創出する会を目指しています。

研究会のメンバーは以下の通りです。

平野 千絵子 小倉北特別支援学校 PTA会長
福井 多恵子 八幡特別支援学校  PTA副会長
石橋 富士代 八幡特別支援学校 進路指導主事
山口 雅子  八幡特別支援学校 教諭
池田 宏美 八幡特別支援学校 教諭
小柳 康博 桑の実会評議員・小池特別支援学校
桑園 正夫 桑の実会評議員・市人権センター職員
倉光 晃子 西南女学院大学短期大学部 講師
桑園 英俊 桑の実工房 所長
田治 英朗 桑の実工房 生活支援員
山田 愛 桑の実工房 生活支援員
井上 愛子 桑の実工房 生活支援員
仲本 篤志 桑の実工房 生活支援員

研究会が夕刻からの時間になりますので、
家族の方が参加しやすいように、本人支援も行いました。
井上・仲本支援員が担当しました。
大まかに言えば、放課後ディサービスですね。
家族と本人のニーズを聞いて、どんな時間を創れるか。
この研究会とリンクしていることです。

第1回は
1.まず、お互いを知ること。意見交換がしやすい雰囲気を作ること。
2.この研究会を立ち上げた経緯と目的を合意すること。
3.スケジュールを説明し、この一年間の見通しが持てること。
4.各委員のこの研究会で得たい成果を全員が知ること。
を目的としました。

各委員の「この研究会で得たい成果」は考えが深まりました。
おそらく、皆さんがそうだったと思います。
全員が、事前に付箋に自分の考えを書き、それを基に発表します。
各委員の意見を聞き、こんなにもいろんな角度からの考え方が
あることをお互いに知り、自分の考えが深まることが分かります。

本人中心の活動を考えること。
家族のニーズ、家族の支援を考えること
学校と事業所の連絡方法を深めること。
行政との連携を考えること。
放課後にしかできないことを考えること。
などなどなど、沢山の意見が出されました。

第2回は
「北九州市放課後対策事業の現状と課題を知る」
「当研究会の具体的最終成果を決定する」
を目的としています。

今日、出された意見を事務局で集約し、
この一年間での「具体的な成果」を何とするのか
次回で決定したいと思います。

委員の皆さん、お疲れさまでした。
自己紹介は、すごく楽しい時間でした。

次回は
7月25日(水)18:30~ です。
宜しくお願い致します。

工房事例研修会の報告

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平成24年3月28日(水)17:30~
工房事例研修会の最終回を行いました。

これまでの取り組みのまとめと
実際に今後の支援現場で活かすための
手立てについて最終確認をしました。

2年間の応用行動分析学をベースにした研修で学んだ、
・課題の設定
・課題を分析すること
・課題に即したアセスメントをとること
・課題に応じた記録をとること
・実支援しながら継続できる記録様式
・記録の分析の仕方
・分析を基に課題・支援法の修正

をこの1年間の事例研修で実際に支援場面に取り入れました。
それぞれのテーマは
出向作業場面での作業コミュニケーション支援。
初めて携帯電話を使うK君へのコミュニケーション支援。
Tさんが情緒安定して活動するための支援内容。
H君の携帯メールを活用したコミュニケーション形成。

支援法の基礎を
「知っている」ことと「知らないこと」の違い。
「応用したことがある」ことと「知っている」ことの違い。
「実践をまとめたことがある」ことと「応用したことがある」の違い。

それぞれのスタッフの「支援の質」「思考の質」が
明らかに高まっているのを実感しました。

さて、その高まりを、それぞれのスタッフが
どう実感しているか。
もし、明らかに自分が高まっていると感じていれば、
自ら、今の取り組みを継続する、モチベーションが高まるはず。

設定された研修に取り組むことと
自発的に研修に取り組んでいくことは違います。
自ら取り組むことは
学ぶ楽しさ、
課題を設定し、解決する楽しさが常態化して、
困難事例にも自ら向かうことができるようになります。

2年~5年経過のスタッフを対象にした研修でした。
今年度取り組んだ課題を、
桑の実作品のように
丁寧に、根気よく、取り組み続けること。
それが、一本立ちへの歩みです。

2年間の研修で、応用行動分析学の基礎と
事例に応じた助言と指導をしていただいた、
倉光先生、ありがとうございました。

これからが、本当の繋がりだと思って頂ければ
ありがたいことです。
お疲れさまでした。

県手をつなぐ育成会事業所部会研修会報告

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2月25日(土)13:00~ 福岡県手をつなぐ育成会事業所部会研修会で
「地域に根ざした事業所における生産活動と生活支援」というテーマで
桑の実工房の実践を紹介しました。
場所は、春日市クローバープラザ。

事業所部会は、NPO法人北九州小規模連と共通点があり、
作業所を立ち上げ、地域活動支援センターや障害福祉サービスへ
移行した事業所の集まりです。

豊前市・柳川市・久留米市など広範囲から参加されていました。
はるばる遠方から参加されるだけあり、皆さん大変熱心に
話しを聞いて頂き、意見交換も活発でした。

それぞれが地域での実践がある方達。
「地域の方達と繋がり、支援者を増やす」
というところは、事後のアンケートでも共感を多い部分でした。

「地域を耕し、地域と繋がり、支援を繋ぐ」

地域と言っても、
事業所がある地域と本人が暮らしている地域があります。
通所事業所は、事業所がある地域だけを意識していたのでは、
その方の暮らし全体をマネジメントすることはできません。

また、
事業所や家族が町内会や自治区会に非協力的では
本人が、その地域で気持ちよく受け入れられることは
難しいでしょう。
まず、事業所が家族が地域と交わり、耕すことです。

そんなことを投げかけ、意見交換をしました。
高校の先輩もおられましたし、桑の実のすぐ近くが実家の方
八幡西区から嘉麻市まで通勤されている施設長さん。
など、様々な方と繋がることができました。

研修会後、
今回の研修会を企画して頂いた
横山会長と井上事務局長と、話しが弾みました。
部会の運営を切り盛りするからこそ、生まれる課題は、
共通しています。互いに共感したり、アドバイスをいただいたり。
同じことを目指してやっているわけです。
すぐに、同じ土俵で話しができる有意義な時間でした。

事務局の皆さん、研修会にあたって
細やかな配慮をして頂きました。
どうも、ありがとうございました。

第3回強度行動障がい研修会の報告

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平成24年2月19日(日)西南大学コミュニティセンターで
第3回強度行動障がい支援研修会に
山田・井上支援員と参加しました。
主催は強度行動障がいの支援について考える会。

7時30分に北九州を出ましたが、思わぬ雪で到着まで約3時間。
途中、引き返そうかと思いましたが、
会場の扉を開けたとたん、スイッチオン。
会場の真摯な雰囲気。
野口教授の講演、熱意溢れた講演。
日弱らずに良かった。参加して正解。

野口教授の講演の中で、
「定型発達と比較するのは、いい加減にやめよう」と。

人と人を比較するのではない、
定型発達と比較するのではない。
その人自身を比較する。

講演を聴きながら
永六輔著の「職人」を思い出しました。
職人の含蓄ある言葉には、共通性、普遍性を感じます。
その中に(P36)

「他人と比較してはいけません。
その人が持っている能力と
その人がやったことを比較しなくちゃいけません。
そうすれば褒めることができます」

「職人」の中でも大好きな言葉です。

応用行動分析学の貢献と課題として

行動分析技法そのものが目的となり、
使うことが目的となり、濫用される。
当事者のQOL向上が軽視される。

行動問題の問題解決ばかりに目を行き過ぎると
行動問題の軽減に向けた支援が重視される。
そうではなく、
新しい行動の形成に向けた支援が必要。

日々の充実した活動ができているのか
日々の充実した活動の準備が
行動問題の分析と同時に進められるべきこと。
日々の活動がいかに本人にとって充足できているか。
本人にとって過ごしやすい時間・場所・対人関係。
日々の不足、過ごしにくさが様々な原因を引き出す
因子となっている視点も欠かせない。

午後の部は、以下の事業所からの事例発表

行動障がいの事例発表の趣旨説明を
西南女学院大学短期大学 倉光先生より
事例は以下の3氏より
社福)福岡市社会福祉事業団 ももち福祉プラザ
高橋 大樹 氏
「物壊し・他害等の行動障がいを有する利用者への支援について
~安定して日中活動に参加するために」

社福)筑紫会 フレンズ
久保田 悟史 氏
「特定の場所へのこだわり行動に対する支援について」

社福)共栄福祉会 板屋学園
藤島 麻子 氏
「こだわりの強い自閉性障害男性の
日常生活を整える支援の取り組み」

支援現場では、直接支援と支援後の記録整理、活動準備などで
このような事例発表準備にかける時間はとれないのが
多くの現場での現状。

その中で、日々の観察をまとめ、
研究会での発表ができるようなプレゼン資料作成。
発表者の高いモチベーション。
それを支えたアドバイザー、職場の仲間、上司。

事例発表のために時間をつぎ込み考えた自分と
同じ対応をしながら日々を過ごした自分。
決定的な違いが生じたのだと感じる。

それは、
発表後の達成感は、次へのモチベーションになったであろうし、
今の時間で「やれた」という自信。

支援方法やその評価を常に人に聞くのでなく、
結果責任を人に預けるのでなく、
まず、「自ら考えること」「自ら評価すること」が
当然のことになること。
質問はそれから。
分析する、考えることが習慣化する。
それは、何より支援する人と支援をうける人
両者にとって、プラスのサイクルを生む。
事例発表の3氏からそんな事を感じました。

事例発表後の野口教授の助言。
重量感のある助言。
会場全員が前をむいた印象。

こんな難しい人の、支援できない。
この人の支援、苦手だ。
そんな人の支援を避けずに、
ぜひ取り組んで欲しい。
そんな人こその支援をやって欲しい。
こんなやり方があるんだ。
こんな方法もあるんだ。
と、気付くはず。
そんな経験を若いうちにこそして欲しい。
周囲はそんな若い人の意欲を育てて欲しい。
1人に預けて苦しめないで欲しい。
決して孤立させないで欲しい。
と。

22日(水)は工房での事例研修。
分析と日々の生活と活動の充実。
この両輪を常に意識して、研修を進めていきましょう。

今日の研修会を企画・運営をしていただいた
強度行動障がいの支援を考える会の皆さん。

事例を提供していただいた、3氏の方。
貴重な一日となりました。

お疲れ様でした。
ありがとうございました。

「アート化」セミナー福岡2日目の報告

平成24年1月15日(日)
福祉をかえる「アート化」セミナー福岡
2日目に参加してきました。

2日目は、午前・午後共に選択プログラム。
絵画を支援している前野支援員も一緒に参加しました。

午前のプログラム、所長は
分科会A 「福祉施設のアート化」
NPO法人 100年福祉会 片山工房(兵庫県)
理事長 新川 修平 氏
NPO法人 まる 工房まる(福岡県)
施設庁 吉田 修一

前野支援員は
分科会B 「アート作品のアウトプット」
たんぽぽの家アートセンターHANA(奈良県)
松田 悠佳 氏
株式会社C.E.Works(福岡県)
チーフディレクター 黒松 祐紀 氏

午後の部、所長は
分科会E「商品のマーケティングと流通」
株式会社イムズマーケットプロモーション部(福岡県)
古場 治 
前野支援員は
分科会D「デザインの力」
エイブルアート・カンパニー商品開発ディレクター(東京都)
伊原 亜希子 氏

他に
「アートを仕事にする中間支援組織の役割」
「障がい者アート作品と著作権」
の分科会が開かれていました。

分科会のテーマ設定から
事務局のネットワークを駆使した講師陣。
質の高い2日間の研修でした。

「アート」活動に既にこれだけの取り組みが
先駆的になされていることの実例を知ることができ、
貴重な時間となりました。

アート活動そのものの意義。
アート作品をデザイン・アレンジ・コラボして
商品化し、流通にのせる意義。

「アート化」については、具体的な実践例があり、
今回の研修のネットワークを基に、
更に深められることを実感しました。

福祉をかえる「アート化」とは、
既存の価値観に縛り付けられずに、
本人の主体的活動を引き出し、尊重し、
新しい価値観を創り出す喜びと活力。
それは、
本人に留まらずに、周りの人も社会を巻き込んでいく
エネルギーを秘めている。

この考えを基に
事業所での活動や今後の展開を
再考できることが
大きな収穫となりました。

事業所を利用する方達に
様々な選択肢があること。
自分に合った、
自分がやってみたい選択肢があること。
無ければ、仲間と新しく創り出すこと。

ひとり1人の生き方を尊重し、
共に実現すること。

これからの日々で積み重ねて行きます。

「アート化」セミナー福岡1日目の報告

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平成24年1月14日(土)
福祉をかえる「アート化」セミナー福岡
一日目に参加してきました。

参加者は110名。遠くは岡山県・宮崎県から。
場所は ふくふくぷらざ(福岡市市民福祉プラザ)
1Fの売店には障害福祉事業所の商品が販売されていました。
受付までに時間があり、2Fの図書室へ。
充実していました。専門の雑誌、機関誌等充実。
北九州には無いな・・。これほどの書籍がそろっているところ。
羨ましがるのでなく、どうやったら北九州に創れるのか、
桑の実で創れるのか。そう考えないと、やってられない。

会場内にはアリア編集長の藤野代表が。
ちゃんと覚えていただいてました。
「北九州でもやりましょうよ!」

<午前の部>
基調講演
「福祉をかえるアート活動の可能性」
財団法人たんぽぽの会(奈良県)
理事長 播磨 靖夫 氏

一日の講演内容を午前中に凝縮した印象。
濃密な時間でした。

言葉には前後の言葉があり、
前後の言葉があってこそ、抽出する言葉の真意があるもの。
講演で話された言葉の一部を書き出すことに危惧を抱きつつ、
幾つかを紹介します。

アートとは 単なる自己表現ではない。ただ描けばよいものではない。
「見るものと見せるものとの交差するところにある」

障がいのある人のアートの特性として
不完全性があげられる。だからデザインにつながりやすい。

芸術は基本的に人間を幸福にする。
人と人、人と場所をつなぎ、「人が生きるのを助ける」

幸福追求権を言い換えると
「ひとり一人が生命を大切にしながら
自己実現を図り幸福になっていくこと」

「たんぽぽの家」のこれまでの歩み、現在の活動を映像で紹介。
様々な活動があり、
彼らの才能が、個性が羨ましい!と思えるような表現があり。
どうして、どうやって、こんな多彩な活動が生み出されるのか
と思っているところに、最後の一言。しびれた。

「障がいのある人の痛みと向かい合って
自分の感受性、感性を磨いたこと
それが、私のアイディアの源」

そう、付け焼き刃で生まれる物ではない。
勢いや乗りだけで、生まれる物ではない。
おもしろおかしくだけで、
これだけ芯から感動させるものが生まれるはずがない。
真摯に 誠実に
長い時間をかけて 向かい合っているのだ。
根源は
人と人との最も大切な 痛みを包んだ向かい合いなのだ。

<午後の部>
実践報告
「施設をこえたアート活動の可能性」

①社会福祉法人 しょうぶ学園(鹿児島県)
 施設長 福森 伸 氏
②株式会社愉快 studio COOCA(神奈川県)
 副施設長 北澤 桃子 氏
③社会福祉法人JOY明日への息吹(福岡県)
 JOY倶楽部アトリエブラヴォ
 副施設長 原田 啓之 氏

トップランナーの3事業所。
自由な、突き破る発想と実行力。

鹿児島のしょうぶ学園には、17年前に訪問したことがあります。
木工を桑の実の活動の一つの柱にしたくて、
当時から図抜けていた しょうぶ学園の木工を見学に行きました。
デザイン力はその時から既に圧倒され、
併せて見せていただいた、陶芸の製作場面は
本人の発想・制作過程そのものを大切にされていました。

ここでも 印象あるフレーズを紹介します。

「モノをつくることは生きること」
~「与えられる」から「創り出す」側。

できないことを支援することがあるが
気をつけなければいけないことがある。
できないことは困っていることなのか。
困っていることを支援するのはいい。
困っていないことを支援しないこと。

アートとクラフトの違いを明確に。
支援者が先にデザインし 利用者創ることを担うクラフトがある。
それよりも
利用者が偶発的に表現したものを 支援者が工夫すること。
そんなクラフトを目指して欲しい。

行為そのものの美しさ。
縫う、削る、磨く、行為そのものの美しさ。

支援者も表現者である。
NO FEELING・NO HEART=NO DESIGN
利用者に向き合う前に まず 自分自身に向き合う。
自分自身がモノを創れるように。

明日は午前・午後も分科会。
また、充実した一日になるように
心を開いて参加してこよう。

第3回 強度行動障がい支援研究会のお知らせ

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西南女学院大学短期大学部保育科 倉光 先生より
第3回 強度行動障がい支援研修会のお知らせです。

昨年の研修会に参加しましたが、その時のブログが
http://www.kuwanomi.org/diarypro/diary.cgi?no=64
です。

今年は
「強度行動障がいの支援について考える」
テ ー マ
行動障がいとは、知的・発達面に障がいのある方と取り巻く
環境との不調和の積み重ねで生じる二次的な現象です。
福岡市では、行動障がいの実態調査や支援者養成の実践研修等
様々な取り組みが活発に進められています。
今回は、行動障がいを有する当事者の視点から、
発達期からの行動障がいの予防・軽減の支援における環境との
相互作用のあり方、支援のネットワークの重要性について、
西南学院大学人間科学部社会福祉学科の野口幸弘教授にご講演いただきます。
また、毎年ご好評いただいております
福岡市内・近隣の障がい福祉サービス事業所・施設による事例報告会も行います。
行動障がいの軽減と豊かな地域生活の実現に向けた支援のあり方について、
この機会に皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
是非、奮ってご参加下さい。

日 時  2012年 2月 19日 (日) 10:00~16:10
会 場  西南学院大学 コミュニティ・センター
参加定員  200名
(障がい者福祉施設・事業所・保育・教育関係者、障がい児者家族、その他)
参 加 費   500 円(資料代)
参加申込  別紙「参加申込書」に必要事項をご記入の上、FAX にてお申し込みください。
申込締切  2012年 2月 9日 (木)
(申込多数の場合は、定員になり次第締め切らせていただきます。)
主 催 強度行動障がいの支援について考える会
後 援 福岡市民間障がい施設協議会 福岡市強度行動障がい者支援調査研究会

研究会の案内と申込用紙をJPEGとPDFで添えています。
申し込みの際には、印刷をしてご使用下さい。

第4回 事例研究会の報告

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11月30日(水)17:30~ 第4回 事例研究会を行いました。

田治支援員
「外部作業場面におけるコミュニケーション・スキルのアセスメントシートの作成」
 桑の実工房が外部作業をしているアンカーネットワークでのコミュニケーションスキルを
獲得するためのステップとして、アセスメントシートを作成し、
試行している段階。

倉光先生より文献の紹介
・応用行動分析学の観点から
 「ことばと行動」浅野・山本編 2004
・就労移行支援の観点から
 「就労移行支援のためのチェックリスト」
 これをベースにした評価シート
 「就労支援のための評価シート」<鳥取版>

仲本支援員
「kさんの携帯電話使用の支援」
 初めて携帯電話を購入したkさんが日常生活場面で使用できるための支援方法について
 ステップ2に入っています。
倉光先生よりの助言
 次のステップ、課題設定をどうするか。
 生活場面の般化できるような場面を設定する。
 朝、送迎車がきて、乗車した段階で携帯電話を 使用して連絡をする。
 その後の課題に備え
 メール使用時の課題分析を行うこととしました。

井上支援員
「Aさんの情緒面の支援の検討」
 情緒が不安定になる原因がなかなか特定できない。
また、情緒不安定時の行動が荒く、他の所員への影響、多傷があり、
支援の検討が必要である。

倉光先生より、研究論文の紹介
「激しい行動障害を示す発達障害の人の最適生活設計」~園山繁樹~筑波大
「知的障害施設に入所する自傷行動を示す成人に対する介入行動」~近藤麻衣・園山繁樹~
 午後に悪くなるサイクルを前提として、Aさんの特性を活かした支援内容を考える
 選択機会の増加
 好きな時間の増加
 で事業所生活を豊かにすることで対応。
 次回は、
 強みとなることから、事業所でできる活動をピックアップする。 
 Aさんの成育歴を話し、共有できたことがあります。
 Aさんの心情・生活の豊かさを十分に尊重して、
 今後の活動を考えてみること・・・・。
 単純な言葉ですが、物凄く難しいチャレンジ。
 新しいものを創り込む内容となります。

山田支援員
「Hさんの携帯メールを用いたコミュニケーション支援」
 
 返信が帰ってきやすい文脈設定でやりとり形成する。
 Hさんにとって、人に伝えたいというコミュニケーションの根源は?
 Hさんの生育歴まで振り返って。
 研修会が終わっても、倉光先生を含めて
 話は途切れず・・・・21時まで。
 
 じっくりと話して、聴いて、いい時間です。
 みんな、力付くだろうなぁ。こんな時間貴重だ。
 倉光先生長時間拘束して、済みません。ありがとうございました。

住いの研究会報告

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10月19日(水)18:00~「住まいの研修会」を行いました。

今回が最終回となります。

研究会の目的は
①発達障害者の特性に対応できるモデルルームを設計する。
②本人・家族・発達障害研究者・障害福祉事業所職員・建築士・法人職員の連携モデルを組織する。
として取り組みました。

成果としては、
◇3名の方の障害特性に応じたモデルルームの設計 3室
◇新しい連携モデルを組織して研究を進められたこと。
◆当初の目的ではありませんでしたが、
 3名の建築士さんより、ケアホームの設計提案。
があげられます。

研究会を進める中で、以下の事が課題となりました
*モデルルームを設計するには、個室・共有部分に必要なパーツを確定する必要がある。
*発達障害の個人差は大きく、モデルルームでは対応仕切れない。
*発達障害特性に応じた配慮は、移動用の家具・建具等で行った方が、多くの利用者・
本人の成長や変化に対応できるのではないか。
*モデルルームとして作り込んでしまうと利用者を限定してしまう。
*経営面を考えても、モデルルームの作り込みを最小限にして、多様な利用者に対応できることが必要。

そこで、最終回は
・トイレ ・洗面 ・風呂 ・洗濯機 ・キッチン ・物干し などのパーツを
 共用部分に設置するのか、個室に設置するのか
◇支援者の立場から
◇自分が住むとした立場から
意見交換をしました。

意見交換では、
支援者が支援をしやすい環境は、自分が住むとなった場合は
決して住みやすい環境ではないということもあげられました。
反面、
支援をしやすい環境というのは、支援を受けやすい環境であり、
結果的に生活の質を上げるのではないかなどの意見がありました。
ケアホーム設計上、障害特性を配慮して必要なことを出し合いました。
*防音 
*天井の高さ 
*壁の一部をマグネット対応 
*引き戸 *コンセントを多く
等をあげました。

この研究会での方向性としては、
ケアホーム設計上必要な配慮を行い<防音・壁など>
個室はできるだけシンプルに、個々の特性への対応は
移動可能な家具で行うこととしました。
今後は
障害特性に対応した家具の提案と開発がターゲットとなります。

一年間と期間を区切った研究会でした。
特に建築士さんには、個室とケアホーム全体の設計を研究会の為に
多忙な日々の中、提案していただきました。
本当にありがとうございました。

参加者全員が最後に感想を述べましたが、
建築士さんを含め、他職種の方たちが、発達障害者の「住まい」を
一緒に考えられたことが意義深かったと複数の方が。

建築士さんからも、高齢者の設計には携わったことがあるが、
発達障害に特化したことは初めてで意義深かったと。

今後、桑の実でケアホームを立ち上げる時には
再度、研究会で詳細を詰めたいと考えています。
家族の方から
「この研究会の成果を早く実現させたい」と。
そう、そのための取り組みでもあったわけですから。

研究会参加者の皆さん、お疲れ様でした。
事務局を務めてくれた、山田支援員。毎回の進行・連絡調整、ありがとう。