平成24年1月14日(土)
福祉をかえる「アート化」セミナー福岡
一日目に参加してきました。
参加者は110名。遠くは岡山県・宮崎県から。
場所は ふくふくぷらざ(福岡市市民福祉プラザ)
1Fの売店には障害福祉事業所の商品が販売されていました。
受付までに時間があり、2Fの図書室へ。
充実していました。専門の雑誌、機関誌等充実。
北九州には無いな・・。これほどの書籍がそろっているところ。
羨ましがるのでなく、どうやったら北九州に創れるのか、
桑の実で創れるのか。そう考えないと、やってられない。
会場内にはアリア編集長の藤野代表が。
ちゃんと覚えていただいてました。
「北九州でもやりましょうよ!」
<午前の部>
基調講演
「福祉をかえるアート活動の可能性」
財団法人たんぽぽの会(奈良県)
理事長 播磨 靖夫 氏
一日の講演内容を午前中に凝縮した印象。
濃密な時間でした。
言葉には前後の言葉があり、
前後の言葉があってこそ、抽出する言葉の真意があるもの。
講演で話された言葉の一部を書き出すことに危惧を抱きつつ、
幾つかを紹介します。
アートとは 単なる自己表現ではない。ただ描けばよいものではない。
「見るものと見せるものとの交差するところにある」
障がいのある人のアートの特性として
不完全性があげられる。だからデザインにつながりやすい。
芸術は基本的に人間を幸福にする。
人と人、人と場所をつなぎ、「人が生きるのを助ける」
幸福追求権を言い換えると
「ひとり一人が生命を大切にしながら
自己実現を図り幸福になっていくこと」
「たんぽぽの家」のこれまでの歩み、現在の活動を映像で紹介。
様々な活動があり、
彼らの才能が、個性が羨ましい!と思えるような表現があり。
どうして、どうやって、こんな多彩な活動が生み出されるのか
と思っているところに、最後の一言。しびれた。
「障がいのある人の痛みと向かい合って
自分の感受性、感性を磨いたこと
それが、私のアイディアの源」
そう、付け焼き刃で生まれる物ではない。
勢いや乗りだけで、生まれる物ではない。
おもしろおかしくだけで、
これだけ芯から感動させるものが生まれるはずがない。
真摯に 誠実に
長い時間をかけて 向かい合っているのだ。
根源は
人と人との最も大切な 痛みを包んだ向かい合いなのだ。
<午後の部>
実践報告
「施設をこえたアート活動の可能性」
①社会福祉法人 しょうぶ学園(鹿児島県)
施設長 福森 伸 氏
②株式会社愉快 studio COOCA(神奈川県)
副施設長 北澤 桃子 氏
③社会福祉法人JOY明日への息吹(福岡県)
JOY倶楽部アトリエブラヴォ
副施設長 原田 啓之 氏
トップランナーの3事業所。
自由な、突き破る発想と実行力。
鹿児島のしょうぶ学園には、17年前に訪問したことがあります。
木工を桑の実の活動の一つの柱にしたくて、
当時から図抜けていた しょうぶ学園の木工を見学に行きました。
デザイン力はその時から既に圧倒され、
併せて見せていただいた、陶芸の製作場面は
本人の発想・制作過程そのものを大切にされていました。
ここでも 印象あるフレーズを紹介します。
「モノをつくることは生きること」
~「与えられる」から「創り出す」側。
できないことを支援することがあるが
気をつけなければいけないことがある。
できないことは困っていることなのか。
困っていることを支援するのはいい。
困っていないことを支援しないこと。
アートとクラフトの違いを明確に。
支援者が先にデザインし 利用者創ることを担うクラフトがある。
それよりも
利用者が偶発的に表現したものを 支援者が工夫すること。
そんなクラフトを目指して欲しい。
行為そのものの美しさ。
縫う、削る、磨く、行為そのものの美しさ。
支援者も表現者である。
NO FEELING・NO HEART=NO DESIGN
利用者に向き合う前に まず 自分自身に向き合う。
自分自身がモノを創れるように。
明日は午前・午後も分科会。
また、充実した一日になるように
心を開いて参加してこよう。