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第3回 事例研修会の報告

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平成23年9月28日(水)17時30分~
第3回 桑の実工房事例研修会を行いました。

4人の支援員がそれぞれに課題設定をした事例について検討をしました。
以下が課題設定の内容です。

1.出向作業現場でのコミュニケーション支援に関して
2.A君の携帯電話使用支援
3.Bさんの情緒に与える環境要因の分析
4.C君の携帯電話でのメール使用スキルの向上

各自が取り組んだ内容を資料にまとめて発表。
お互いの意見交換、倉光先生の助言を受けました。

昨年度は3事業所合同の研修会。
本年度は、工房職員のみでの研修会。
日常接している所員の事例なので、とてもイメージしやすく、
具体的支援方法も考えやすくなります。
また、支援方法も深く考えることができます。

一人の事や一つの課題に時間を十分にとって
お互いに話し合うことは、
チームとして本当に価値あることだなと実感します。

チームとしての質を高めるために、
来月も楽しみに。
倉光先生、ありがとうございました。

第5回「住まいの研究会」報告

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8月17日(水)実施の 第5回「住まいの研究会」の報告です。
ブログでの報告が遅くなってしまいました。
PDF資料をとコメントをいただき、急ぎUPしています。ご了承下さい。

前回までに各グループに所属する発達障害の方への
モデルルームを考えてきました。

今回は、今回はそのモデルルームを基にして設計した全体像を
3人の建築士さんよりプレゼンテーションしていただきました。

それぞれが特徴のある、プレゼンテーションでした。
◆管理面や現在のGHの特徴に準じた全体構成。
◆パブリック・セミパブリック・セミプライベート・プライベート
といった段階的空間構成を基にした全体構成
◆既存のGHの概念に縛られずに利用者の居住性や
 支援者を含めてのゆとりを意識した全体構成

実際に立面図が示されると・・・・「早く実現させたい!」
と気持ちがはやります。

プレゼンを基に意見交換をしました。
個別化を図ったモデルルームを固定化してしまったときに
他の方が利用できなくなるのではないか・・・。
ルームの個別化への対応は建具・家具で工夫できないか・・。
パブリックスペースで必要なものを明確にできないか・・。
これらを発達障害特性に基づいて方向性を見いだせないか・・。

次回 10月19日(火)18:00~「住まいの研究会」最終回になります。
意見交換した内容の中から、議論する柱を絞って、進めることになります。
方向性が見いだせるような、実のある議論となるように準備を進めたいと思います。

「リーシュ」職員研修報告

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7月20日(水)「リーシュ」の職員研修に参加しました。

研修テーマは「地域での活動をいかに創るか」

桑の実作業所を立ち上げてからの地域との繋がりのまとめ。
地域活動には、作品展や祭りのなどのイベントと
買い物や地域資源を利用した日々の実践があること。
また、「地域」を考える際には
事業所がある「地域」と
個々が暮らす「地域」があることを
スライドにまとめて紹介しました。

「リーシュ」の地域活動を創るために
◇地域の特色
◇事業所の強み
◇考えられる地域活動
◇事業としての優先順位
について、職員それぞれが考えを書き出しました。

地域の特所としては
小・中・高等学校・特別支援学校が近くにあることに加え、
地域活動に熱心な大学も近くにあること。
徒歩圏内にスーパーや飲食店、コンビニが点在すること。
バス・JR・モノレールなどの公共交通機関が利用しやすいこと。
などがあげられました。

事業所の強みとして
ねぎぼうずの里作業所から20年以上の活動歴があること。
個別支援ができる職員体制であること。
小規模集団で自由な活動がしやすいこと。
アートな活動していること。
などがあげられました。

大切なのは、地域の特色や事業所の強みを
それぞれの職員が意見を出し合い、互いの考えを確認して、
地域活動を創り出す過程にあります。
目的を共有するのは活動の根源です。

幾つかの魅力的な提案がありました。
これからのミーティングで事業計画として
具体化することが次のステップです。

どんな地域活動になるのか楽しみです。
リーシュのホームページは以下からどうぞ。
http://www.negi-leash.com/index.html

第1回 事例研修会

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6月22日(水)17:30~ 第1回事例研修会を行いました。
講師は昨年に引き続き、西南女子短期大学の倉光先生にお願いしました。

昨年、3事業所合同で学んだ
応用行動分析学を基にして、今年は事例研修。

それぞれの職員がテーマを発表しました。
設定の理由、他テーマとの比較、
そのテーマは生活の質を向上させるものなのか、
等を議論しました。

支援者自身が主体的に研修に取り組むためには、
テーマが自分自身にとって必然でなければ。
「ウズウズする」くらいの気持ちが湧き上がれば、
価値ある取り組みになっていくのだと思います。

テーマを練ることの重要性。
テーマ設定の深まり。
今日の第1の目的でした。

それぞれの設定したテーマを認め、考えを深化させて下さった、
倉光先生、ありがとうございました。
これから毎月の研修になります。
どうぞ、宜しくお願い致します。

第4回「住まいの研究会」の報告

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第4回「住まいの研究会」の報告です。

各グループで協議する叩き台の図面があがってきました。

当初はA君・B君・C君、それぞれが暮らしやすい居室を設計し、
それを組み合わせ、共有部分を加えてケアホームと考えていました。

議論を進めるうちに、
「建物の全体像・共有部分を先に設定しないと
個々の居室が描きにくい。」
というグループも出てきました。

そこで、
進め方は自由とし、
「自閉症の障害特性に対応できるモデルルームの設計」
「モデルルームを組み合わせたケアホームの提案」
を最終成果目標としました。

今回は各建築士さんからの図面を基にした協議。
図面があると、違いますね。
「桑の実に建てたい!直ぐにでも」と思います。

私のグループの居室提案は、直ぐにでもリフォームして使えます。
本人は暮らしやすいだろうなぁ。
家族のリクエスト。
部屋にハンモックを天井からぶら下げて。
共用で歯磨きは苦手だから、部屋で洗面できるように。
ベット・テレビ・机・本棚を近くに配置して、動きが少なくてすむように。
本人が安心して使える小型冷蔵庫を。
ちょっと遊べるようにバスケットゴールを。

そうして出来た叩き台。画像の最後です。

ベースの居室案ができれば、障害特性の近い方が少しアレンジして
自分の居室とすることができます。
10居室程度のベース案ができれば。
次回 8月17日(水)は、それぞれのグループの建築士さんより
図面を基にしたプレゼンテーションです。

お楽しみに。

基調講演のご案内・北九州支部総会

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日本ホームヘルパー協会北九州支部第7回総会が
平成23年5月13日(金)19:00~20:30
北九州市ウェルとばた 多目的ホールで行われます。

北九州支部協会 坂本会長に声をかけていただき、
「知的障害者の地域生活を支える」の題目で
基調講演を行うことになりました。

桑の実工房の実践を通して、
知的障害者とホームヘルパーとの接点、
支援・連携の可能性を探ります。

会員外でも参加できるようです。
興味のある方は、PDFファイルを印刷して申し込み下さい。
http://www.kuwanomi.org/diarypro/data/upfile/86-2.pdf

第3回「住まいの研究会」報告

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4月20日(水)18時~「第3回 住まいの研究会」

今回は前回の家族・スタッフへのヒアリングを受けての
建築士さんからの図面提案。

アプローチの仕方はそれぞれで、
共有部分をある程度固めて、居室の構成に入るグループ。
利用する個性を重視して、居室の構成のみに特化するグループ。
「本人の特性にあった居室提案」に沿って
各グループ進行中です。

私のグループでは平面図での提案があり、それを叩き台にして
家族・スタッフから要望をドンドン出して
その場で建築士さんから手書きの立面図を起こしてもらいました。
イラストが入ると凄く分かりやすい。

◇部屋の天井からは、ハンモックブランコが下がっています。
 揺れの感覚刺激を楽しむために。リラックスするために。
◆歯磨き、洗顔は共用が苦手なので、居室の中に簡易洗面を。
◇力が弱いので、軽い力で開閉できるドアや引き出し類。
◆今日着ていく服を入口近くに掛けておくためのハンガースペース

などなどなどなど。

想いやアイデアが形に変わって行きます。
嬉しいもので、どのグループの発言も次第に声が大きくなり、
みんなが活性化しているのが分かります。

今日のまとめとして、三人の建築士さんが議論の経過を発表。
グループ毎の特色が際だっているなと感じました。
おそらく個々の特性に合わせて、建築士さんの感性も大きいと感じました。

次回は、今日の図面の修正案です。
建築士さんからはPDFファイルでの提案があります。
個に合わせた個別居室空間の提案。
このブログでも皆さんに紹介できます。

お楽しみに。

直方養護学校職員研修報告

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3月1日(火)直方養護学校の人権研修で桑の実工房の取り組みを紹介しました。

寄宿舎のある、大規模校です。研修には70名ほどの先生方が参加されました。
人権・同和研修の1講座です。

教員を辞めて知的障害者の作業所を立ち上げた経緯。
桑の実工房を目指していること。
個別支援計画作成までの取り組み。
実践例として
①本人の望む一日のプログラムづくり
②昼食支援
③通勤支援
④居住区活動
をスライド資料にして、説明をしました。

高等部の昼食は何故、給食なのだろう。
すぐに社会人となる高校生に自分で選択する、学食や弁当注文や
もっと踏み込んで、校外に食べに行くことができないのだろうか。
毎日、自分でお金を使い、昼食を食べる、
毎日、繰り返すことで、お金の使い方が試行錯誤して定着する。

障害の重い、情緒が不安定な生徒に
45分~50分刻みの時間割が本当に適しているのだろうか。
午前・昼食・午後と大きな枠組みで、
本人の得意な好きな活動で一日を組み立てられないのだろうか。

余暇支援は拠点を学校や事業所に置いているが、
それで、獲得したスキルが汎化できているのだろうか。
知的障害の方達の余暇支援を考える一つに、
本人の住んでいる居住区にどんな利用できる場所があるかを支援者が知ること。
支援者が居住区に出向いて、本人と地域での活動をつくることが必要だ。

そんな、教職時代から思い続けて、実践していることを話しました。
学校現場では、法律や制度で取り入れられない面があり、
そんな簡単ではないと思われた先生も多かったと思います。

本人の思いを聞く。本人の思いに耳を傾ける。本人の思いを推し量る。
一方的に聞き、尊重するだけでなく、話し合う。
話し合い、共感する。反発する。理解をする。そして納得する。
納得したことを実現するために、行動する。目的をもって行動する。

知的障害があろうと、そうでなかろうと
個を集団としてひとまとめで捉えるのでなく、
集団の中で、個々の思いや願いを実現しようとする姿勢。

それが、相手を尊重する根源です。

研修時間で話をする機会を作っていただいた
奥原校長先生
研修担当の新原先生、ありがとうございました。

第10回 応用行動分析研修会報告

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2月23日(水)17:00~第10回の応用行動分析研修会を行いました。
5月から取り組んできた研修会も今回が最終回になります。

最終回は
第8回に各事業所で立案した支援計画の2回目の報告を3事業所から。
次に、今年度の講義のまとめを再確認。
*知的障害者施設の利用者の特性。
*行動問題の捉え方。
*人の行動のメカニズム。
*強化と弱化の原理
*行動形成のポイント
*複雑な行動の獲得のポイント
*行動問題の理解と支援。

何度も何度も繰り返し確認して、実践してみて、理解が深まります。

桑の実工房主催の職員研修は単年度で計画をします。
無条件で連続しないように心掛けています。
次年度の研修は何をしたいのか改めてスタッフで協議をして決めます。
それは、
自分達が最も必要としている研修を改めて確認するために。
主体的に研修に取り組み、実践の意欲に繋げるために。
研修は自分たちが作る課題意識を常に持つために。

年度を連続して研修を続けることもありますが、
それは「続けたい」という意思を確認してからになります。

次年度の研修を何にするか。どんな形態で行うのか。
3月に話し合って結論を出します。
勤務後の貴重な時間を使って学びあう時間です。
テーマを十分に吟味したいと思います。

<研修参加者みなさんの感想>
記録を取ることの大切さを実感した。
行動の原因となる部分を考えるようになった。
研修を受ける前とで利用者の行動の捉え方が違ってきた。
行動の直前と直後を観察し、考えるようになった。
分化強化を学び、実践したい。
影響力の強い、支援方法だと感じた。
夜間支援で寝かかった人が起きてきたときに無反応<無視>をして
それが良かったのか・・気持ちに寄り添って支援しないといけないと感じた。
応用行動分析学の言葉に慣れなかった。
過去の自分の支援を応用行動分析学に照らして考え直すことができた。
記録の大切さを改めて学んだ。
グループワークで利用者一人のことに時間をかけて検討ができたことが良かった。
研修で計画から実践に繋がったことが良かった。
正の強化をベースにした支援の大切さを感じた。
初めての応用行動分析学の研修だったので大きな学びの機会となった。
実習生の支援で不適切な行動をABC分析で考えることができた。

それぞれの収穫と思いを糧に次年度へ。
1年間の研修、お疲れ様でした。
倉光先生、ていねいに砕いてもらった研修、ありがとうございました。

強度行動障がい研修会報告

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2月20日(日)福岡市西南学院大学で行われた
強度行動障がい者支援研修会にスタッフ2名と参加しました。
参加募集120名を大きく越える208名の参加者。
関心の高さ、この研修の必要性を強く感じます。

午前のプログラム
西南学院大学 野口教授のミニ講座
「強度行動障がい支援のポイント」
事例発表を
板屋学園・おおほり苑・わたつみの里・鞍手ゆたかの里より4事例。

午後のプログラム
鳥取大学 井上教授より
「我が国における行動障がい者支援の動向について」
野口教授より
「行動障がい者の地域生活を支える支援体制作り」
ももち福祉プラザ・支援センター野の花より
「強度行動障がい者共同支援の取り組み報告」
最後に 井上教授より
「これからの強度行動障がい者支援について」
以上の充実したプログラムでした。

幾つか印象に残ったこと。

午前のプログラムで4つの事業所から事例報告がありました。
それぞれの事業所が応用行動分析学に基づいて研修を進めていました。
基にする理論の是非でなく、
共通の言葉・方法で違う事業所の事例を議論できる効果を実感しました。
それぞれの事業所独自の考えで発表するのでなく、
体系づけられた「理論」を基に進めていくことの確かさ。

事例発表者は、日々の直接支援を行いながら、事例報告をまとめたわけです。
まとまった休業があるわけでない、現場でまとめ上げたことに敬服します。
いかに支援者自身のモチベーションや探求心が高かったか。
日々直接支援をしている方は、想像に難くないと思います。
取り組んだ支援者は数段スキルアップしているのです。
また、
それを支えた事業所の姿勢も大きな要因です。
4つの事業所の理事会、経営者の視点を感じずにはいられません。
スーパーバイザーとなる方を共同で依頼した研修会の進め方。
ここを核にネットワークがさらに広がっていくことが
事業所の質を高めることになるのでしょう。

強度行動障がい者をいかに支えるか、地域生活をいかにつくるのかを
事例や講義で家族・支援者・経営者・学生が終日研修しました。
強度行動障がい者の方への支援を考えることは、
支援者の質だけでなく、事業所の質も高めます。
それは、あるキーパーソン単独での支援で解決できない部分がほとんどだからです。
支援者同士がチームを組んでもかなわない、
事業所が支援者の取り組みを支える姿勢がないとかなわないことが多いのです。
その意味から
強度行動障がい者の支援を核に据えて個別の支援を考えることは、
今問われている「支援の質を高める」ことに直結しています。

主催者である
「強度行動障がい者の支援について考える会」のみなさん。
充実した研修の機会、ありがとうございました。
福岡市の実践を基に
北九州市でもこんな研修会が行えるように・・・。

お疲れさまでした。